ストリングスホテル東京インターコンチネンタル(品川)
 (http://www.intercontinental-strings.jp/
 で ホテルマネジャーを務める、オーストラリア出身の
 コリン マッキャンドレスさん をお招きした 後編 です。





 
全ては密なコミュニケーションから
 
ロズリン:より質の高いサービスを目指すには、スタッフの訓練も重視している
      ということですよね。
      ご苦労されたことなどは?
 
マッキャンドレス:赤坂では、2年前に大々的なブランド・リニューアルを行なった際、
            運営システムをガラリと刷新しました。

            突然に大きく切り替わったため、スタッフの皆が新しいシステム
            の使い方や意味が分からず右往左往し、そのつど説明や指導
            が大変でした。

            経理など裏方のシステムも以前と全く違うため、すっかり軌道
            に乗るまでは苦労が続きました。
            日本に来てからは、この頃が一番大変な時期だったと言える
            でしょう。



ロズリン:日本のスタッフは、他の国での経営経験から言うと、やり方や考え方
      は違いますか。

マッキャンドレス:比較はしにくいですが、強いて挙げれば、海外では30%で
            計画し、70%で実行。すぐに行動にかかります。

            日本はその逆で、70%は計画に充て、30%を実行に、という
            感じです。
            計画をしっかりたてるおかげで、実行は非常にスムーズに
            行きます。
 
ロズリン:じっくり考えてから行動する、熟考型なんでしょうね。
 
マッキャンドレス:ですが、どんなときでも互いのコミュニケーションを欠かさない
            努力は、国を問わず円滑な業務を行なう上で基本中の基本だ
            と思います。



ロズリン:お客様からの、困りごとの相談やクレームなどへの対応は、相当に
      神経を遣うのでしょう?



マッキャンドレス:もちろんその通りですが、常連のお客様の中には、実は
            クレームがきっかけになって、現在の良い関係が生まれた
            ケースがあるんですよ。

            どんな小さな依頼に対しても誠心誠意尽くせば、良いコミュ
            ニケーションに進展するという例はこれまでもしばしば経験
            しています。
 
 
ホテルが日常、という暮らし
 
ロズリン:ホテルが職場、というお仕事ですが、ご自身のお住まいや
      くつろぐ場所は?
 
マッキャンドレス:赤坂のときはホテル住まいでした。
            今は自宅としてマンションを借りていますが… 
            やはり忙しいので、あまり帰れないのが現実ですね。
 
ロズリン:では、オフの日はどんな過ごし方を?
 
マッキャンドレス:普通はそれこそ旅行先でホテルに泊まるのでしょうが、
            私の場合は星の下で寝るのもいいなあ、とか ( 笑 ) 。

            ここの系列とは別のホテルに泊まってみたり、勉強させて
            もらったりすることもあります。
            応用できる点や改善につながることなどを、つい探して
            しまいます。



ロズリン:さすがはプロフェッショナルです。
      日本国内で、特に好きな場所はありますか。
 
マッキャンドレス:北海道はいいですね。
            でも最初の1年間はとにかく忙しくて、旅行する暇がほとんど
            無かったので…

            最近は、休暇が取れたらできるだけ日本国内を回ろうと考え
            ています。
            スキーにも行きたいし、登山も好きなので。それから、温泉も
            好きになりました。



 ロズリン:温泉ならば、旅館に泊まることも?
 
 マッキャンドレス:温泉旅館は、日本人の生活
             様式の見本のようなものだから、
             生活習慣の基本を学べますよね。
             畳の部屋も気に入っています。
 
ロズリン:旅館にはそれなりの、とても真似のできない魅力がありますからね。
      私も実は大好きです。


与える愛から受け取る宝物
 
ロズリン:今、取り組んでいる課題はありますか。


マッキャンドレス:これ、という大きなものではあり
            ませんが…
            その国の文化とどう向き合うかは、
            何かをするとき常に大切なポイント
            だと思います。

            日本人は、その気さえあれば24
            時間でも働いてしまう
ほど仕事熱
            心です。

            そうなると、仕事と個人の生活を
            どううまく両立させるか、という問題
            が浮上してきます。
  
            かといって、文化や習慣の違いを
            無視したまま、ホテルチェーン側の

 
 のアイデアをそっくり持ってきても受け入れられません。
 ですから、スタッフに対してどう説明し、納得してもらうかが、ホテルのブランドを守り
 伝える上で、目下最大の課題だと考えています。
 
 ロズリン:この業界を目指したい人に、アドバイスはありますか。

 マッキャンドレス:サービス業の基本は、“ 与えること ” が全てだと考えて下さい。

 

       見返りを求めず、常に相手を第一に優先する姿勢なしには務まらない
       職業ですから、当然ながら自分のことばかり考えているような人には
       不向きでしょう。

       しかし喜びをもって与えれば、それは何倍にもなって返ってくるものです。
       相手を大切に思いやる心があれば、こんなに幸せな仕事は他にないと
       思いますよ。

 <インタビュー感想>
  コリンさんは出身が私と同じオーストラリア ( しかもメルボルン ) ですが、
  それがきっかけで、東京シンフォニアのチャリティーコンサートで立ち話をし、
  今回インタビューを受けていただくことになりました。

  プライベートやもちろん仕事でも、ホテルを利用する機会は多いですが、
  やはりそこで接した、たった1人のスタッフの印象によって、ホテル全体の
  イメージが、良い意味でも悪い意味でも、ガラッと変わってしまうということが
  ありますね。

  常にゲストを思い、見返りを求めず、与えること。それが自然にできる人
  でないと、ホテルマンは務まらないという彼。
  これはなかなか忍耐のいることだと思います!

  ゲストの喜ぶ笑顔が、コリンさんの心を笑顔にするんでしょう。
  良いサービスを受けたら、きちんとお礼を言うこと。たとえサービスに対して
  支払っているとしても、本当に基本的なことですが大切です。

  そしてゲストの側も “ お行儀良く ” を心がけたいですね。