第17回目のゲストは、国際難民支援会 ( RIJ )
 Refugees International Japan

 会長・CEO ジェイン ベスト さん を
 お招きしました。


今も世界のいたるところで起きている内戦や紛争は、それによってすべて
を失う人々、即ち難民をたくさん生み出しています。

RIJ ( Refugees International Japan : 国際難民支援会 )は、そうした
人々の一部を支援するプロジェクトを資金面でサポートする日本のボラン
ティア組織として、1979年に設立されました。

昨年で30周年を迎えた RIJ の運営を長く支えてきた会長である
ジェイン ベスト さん の温かいまなざしは、常に未来のよりよい
支援のかたちを模索しています。


 難民という名の苦しみに目を向けよう
 
 
体当たりでスタートした、日本での生活
 
ロズリン:ご出身はイギリスですが、日本に来られたきっかけは。
 
ジェイン:来日したのは25年ほど前ですが、その前に3年間、アフリカ
      のザンビアに住んでいました。

      もともと冒険好きなたちで、新しい場所に興味があるんです。
      ザンビアのときの友人の 「 日本は面白いよ 」 という勧めに
      従って、何も考えずに日本に来てしまいました。

      その友人というのが、今の私の夫です。 ( 笑 )



ロズリン:するとご夫婦で、ずっと日本にお住まいに?
 
ジェイン:そうです。 最初は1~2年のつもりで英会話を教えたりして
      いましたが、だんだん日本に残りたい気持ちが強くなって。

      そこで、ずっと暮らすなら何をすれば一番いいか考えた末、
      二人でレストランをやろうということに。
      1988年から2000年まで、東京の中目黒で英国料理の
      レストラン 「1066年」 を経営しました。

      苦労の多い12年間でしたが、すばらしいことも多かったですよ。

      たとえば東京ドームでのローリングストーンズの来日コンサート
      のときのバックステージで料理のケータリングをやったりとか。
      楽しい思い出もいっぱいです。
 
ロズリン:日本語は?

ジェイン:来日当初はもちろん日本語、特に漢字が全く分からなくて、二人
      で渋谷区役所に結婚届けを出したときも漢字いっぱいの書類を
      見て 「 中華料理店のメニューみたい! 」 と ( 笑 ) 。
 
ロズリン:大変だったでしょう!

 
 ジェイン:特に日本語には、遠回しに断る
       言い回しのように、微妙なニュアンス
       を含んだ表現が多くて、とんちんかん
       な受け答えをして相当苦労しましたよ。

       たとえば 「 むずかしい 」 イコール
        「 ノー 」 と知らないで。

       でも分からないところは訳してもらい
       ながら、銀行でローンを組んだり、
       いろんなことをどうにか乗り切って
       きたんですよね。



草の根の活動から生まれた支援の芽
 
ロズリン:その頃からボランティア活動を?
 
ジェイン:レストラン経営とは別に、私たちは昔から常に何らかのボランティア
      活動に参加していました。 

      店を閉めるときにも声がかかって、現在のRIJの運営になったのです。

 ロズリン:RIJという組織は、日本独自の組織ですか。
       どんな活動をしていますか。

 ジェイン:活動は、紛争地域などで困窮状態にある
       難民に対して、寄付をはじめとした様々な
       支援が確実に届くようサポートしています。

       設立は30年前のことでアメリカ人のスー・
       モートンが作った組織です。
       彼女によれば、難民とは 「 苦しみ以外の
       すべてを奪い取られた人間 」 のことです。

      あれから30年たちましたが、最近では、
      パキスタン、スリランカ、
コンゴなどの紛争
      が激化した国々の人々を支援するほか、
      ガンビア、セネガル、リベリアなどを訪れ、
      メンタルケアや生活技術指導などのプロ
      グラムを実施し、成果を挙げています。

 ロズリン:日本で発足させるにあたっては、ご苦労
       も多かったのでは?



ジェイン:モートンは、実はタイから来日しましたが、当時 ポル ポト 派 の迫害
      を逃れてタイに来ていたカンボジア難民を
支援したのが最初のきっか
      けでした。

      ちょうど日本でサミットが開催されたタイミングでもあり、タイの難民
      キャンプの現状なども伝え、支援への理解を広めようとしていました。

      アメリカに帰国した後も、彼女はロビイストとして活動を続けました。
 
ロズリン:信念と根気がなくては成し得ない、地道な努力ですね。



ジェイン:ですが当時の日本では、ロビー活動そのものがなじまない風土だった
      事情もあって、日本においては資金集めに重点を置く形になりました。

      それに対して、アメリカの組織はロビイスト活動をメインで、情報収集や
      調査、政府機関や国連に働きかけての普及・啓発活動などを行なって
      います。
 
ロズリン:日本においての、組織は?
 
ジェイン:以前はボランティアのみの組織運営だったため、寄付も思うようには
      伸びませんでしたが、2006年以降はスタッフを雇うようになり、2009
      4月、正式な一般財団法人となりました。

      現在、日本の大手企業や団体から個人まで、ご賛同くださるメンバーを
      徐々に増やしています。

ロズリン:かつてのレストラン経営の経験が、
      現在のRIJの活動に役立っている部分
      もあるのでは?

ジェイン:例えば、ケータリング業でのマネジメント
      のノウハウは、組織全体の運営管理や
      支援の実施につながっていますね。
      
      アフリカでは、学校や病院などでそういった
      システムを教える機会もありましたから、
                           確かに良い経験だったと思います。

 
混乱の中にこそ光る、土地の魅力
 
ロズリン:もともと、アフリカという国はとても身近な存在になっているようですね。
 
ジェイン:活動を通してアフリカが好きになって、以後何度も訪れています。
      でも、同時に日本をはじめ東南アジアへの興味も強くなりましたよ。
 
ロズリン:今では日本の良いところ、そうでないところ、いろいろお気づきでしょう?

 
 ジェイン:日本は何といっても安全だし、全ての物事が
       正確でスムーズに動くので、住みやすい国
       ではあります。

       しかし逆に言えば、その安定し過ぎなところが
       面白味に欠けるというか…。

       むしろ途上国特有の、カオスのような混乱に
       強い魅力を感じますね。


ロズリン:それも分かる気がします。
 
ジェイン:アフリカにはのどかな平和、人の温かさ、民族の根底に流れるリズムなど、
      またアジアには人々の優しさや親切さなど、それぞれの地に素晴らしい魅力
      があります。

      もっともどの国も、全ての人がそうではないというのが、つまるところ大きな
      問題なんですが。

 
    リビエラ難民の子供たち          ウガンダで水をくむ少年

 タイの学校で


 まだまだ、インタビューは続きます! 
 後編をお楽しみに。