ジュニアサッカークラブ「F.C.コフレ岩槻」
(リンク:http://fc-cofre.jugem.jp/ )の 

代表であり監督の 柳澤 芳郎 さん
をお招きしての後編です。



夢と挫折を次への糧に
 
ロズリン:サッカー留学後、日本に帰って来て…
 
柳澤:FC東京のテストを受けました。
    最初は 「 プロ以外でも、これだけできる人間がいる 」 と感心されたのです
    が、その後また呼び出されて、フォワードをやれと言われたら、これがうまく
    いかなくて。

    要するに、状況に応じてあらゆるポジションを守れるユーティリティプレーヤー
    でないと、プロチームでは生き残れないということだったらしいんです。
    チャンスはあったのに、自分の努力不足がたたって目標に届かなかった。



ロズリン:しかしそのことは今、指導する子どもたちへの貴重なメッセージに
      なるのでは?
 
柳澤:そうですね。自分の挫折体験を自分の言葉で話せることは、とても意味
    のあることだと今は思いますし、ここから学ぶものがあるはずです。

    実は兄の1人は、かつて瑠偉ラモスにも目をかけられ、プロになるほどの
    才能はあったのですが、当時の指導にも足りない部分があって、彼の才能
    を最大限に活かす方向に導けなかったのは残念です。
    
    大きな損失と言っていい。
 
    監督の言うことをよく聞くいい子が選ばれたり…。
    もっと広い捉え方で個性に向き合い、育てていけば、日本のサッカーは
    もっと伸びるんじゃないでしょうか。





感性を磨いて、輝こう
 
ロズリン:私たちサンギは、F.C.コフレ岩槻の公式スポンサーとして活動を
      支援しています。
      コフレの成り立ちとこれからについて伺えますか。

 
 








FCコフレのユニフォーム
背中にはアパガードのロゴも


柳澤:7~8年ほど前のことですが、出身地である岩槻に対する社会貢献
    というか、何らかの還元をしなくてはと考えるようになったことと、地元
    の中学校で外部指導員にならないかと、市から声が掛かったことが
    重なって…。
 
ロズリン:外部指導員とは?
 
柳澤:市の主導で、いろいろなスポーツ振興を目的に指導員を募る制度です。

    それまでの2年間ほどはフリーでコーチをしていましたが、そろそろ外部
    指導員になるのもいいかなと思った矢先、現コーチの転勤でポストが空く
    ので… という具合に話が進みました。

    さらに、中学の部活動とは別個にサッカースクールを作ろうとの構想も
    同時進行していて、のちの2005年、外部指導員を辞めてコフレを立ち
    上げました。



 ロズリン: “ コフレ ” というネーミングは?
 
 柳澤:スペイン語で “ 宝石箱 ” ( cofre ) を
     意味します。

     才能を秘めた原石を磨き、いつか宝石の
     ように輝く選手を育むことを目指したい、
     という思いを込めました。


ロズリン:今、所属しているのは何人くらいですか。
 
柳澤:中学生 (U-15) が31人、小学生(U-12)が21人です。
    活動は平日の夜、及び土・日。コーチの手が足りないのが目下の悩みです。


 
恒例の夏合宿 ( 新潟魚沼市入広瀬地区 )
夏合宿での小千谷SC ( 小豆色ユニフォーム ) との交流試合


ロズリン:教えることは楽しい?
 
柳澤:楽しいし、好きです。
    僕の場合は、自分の経験をまず伝え、それから感性の部分を伝える
    ようにします。

    サッカーには相応の感性が非常に大切で、サッカーが上手いかそうで
    ないかは、これにかかっています。

    極端な話、上手い子たちが集まれば、あとは感性に任せておくほうが
    うまくいくんじゃないかと思います。 
    知識ばかりの頭でっかちでは、良いサッカーはできません。


 ロズリン:感性というと、持って生まれた部分も
       大きいのでは。
 
 柳澤:うちの有望株で、中学生にしてすでに
     上手い子がいますが、それは確かに感性が
     できている、持っているということなんです。
 
     要するに、感性つまりセンスや身体能力という
     ものは、教師でも教えることができない領域を
     含みます。

だから、もともと感性が備わっている子の場合は、教えなくてもいろいろなことを
自分でこなしてしまいます。


ロズリン:何か特別なアプローチをとっていますか?
 
柳澤:コフレでは、ダンスコーチを招いてヒップホップを練習に取り入れています。
    身体の軸を強化し、リズム感を養うのに、ヒップホップの動きはとても効果的
    なんですよ。

    その他にも外部からコーチを招いて、チームの技術指導をお願いすることも
    あります。

 
世界のリフティング王 「 ケン 」 さんの    なでしこジャパンの佐々木監督を招いて
テクニック指導                  (第3回)


“ 軸足 ” の強化で広がるステージ
 
ロズリン:ビジネスとしてのコフレの見通しは?
 
柳澤:なってないです、ビジネスには ( 笑 )。
    スタッフに対して十分に還元できていないのも事実です。

    そこで今、ドイツのサッカーブランド 「saller (ザラー)」 の日本正規代理店
    の法人化を進めています。
 
   サッカーとは違うブランド作りもぜひやってみたいし、軌道に乗ればコフレの
   ほうにも投資できるメリットがあるからです。

   今は生徒の月謝から資材を購入するとすぐになくなってしまうという具合に、
   キビしい運営状態なので。
 
ロズリン:それでも、人を育てていく喜びは代え難いものでしょう?

 

 柳澤:多くの方々のサポートに恵まれて、
     アットホームな環境なのはありがたい
     ですね。

     卒業生も出て、将来的にスタッフが充実
     していく可能性が見えてきたので、がんばり
     がいがあります。
 
     今の段階ではまだ選手にも、チームとしても
     弱い部分が見えますが、弱いからといって
     手加減はしません。

 マナーや礼儀作法など、人間として最低限必要な生活技術も身につけてほしい。
それは、サッカー以外のところでも役に立ちますから。
 

ロズリン:最後に、サッカーに興味を持っている子どもたちにメッセージを。
 
柳澤:迷っているのなら、とにかく足を踏み入れて、やってみること。
    やってみないと、その先の道が分からない。
    やってみてはじめて気が付くということです。

    だからまずはやってみること。 ・・・これが大事です。



<インタビュー感想>

 私にとってサッカーは、本当に縁遠い世界でしたが、子供たちの個性・才能を
 育てるという点には、とても興味がありました。

 どんなスポーツもそうですが、プロになれるのはトップのほんの一握りの人達。
 そしてプロになっていわゆるスター選手として活躍するには、更に厳しい道のり
 です。

 柳澤さんはプロを目指し、そして断念せざるを得なかったのですが、これもめぐり
 あわせで、子供たちを育てる側に進む運命だったのだと思います。

 未来の日本サッカーを背負う子供たちの個性と技術を伸ばし、ご自身の経験を
 もとにブラジルサッカーに負けない強い選手を育てて欲しいです。

 今年は4年に一度のワールドカップの年でした。

 ちょうどこのインタビュー前編をアップした頃からスタートし、私も今回は日本の
 活躍に注目していました、、、
 
 本当に残念でしたね。。でも彼らの活躍は次世代の日本選手たちに多いに期待
 できるものでした!!