今回は横浜市青葉区にある「こどもの国歯科」におじゃまして、
歯科医師 小林範彦先生歯科衛生士 熊谷香織さん にお話を伺います。

     

大切なのは、やっぱり日頃のケアです!

妊娠前からの歯のケアがカギ

ロズリン:
小林先生は、“こどもの国”駅前で開業されて何年になりますか。

小林:
平成10年(1998年)11月の開業ですから、もうすぐ10年です。 
           ここ横浜市青葉区は僕の地元でもあって、
ここから出たことはないんです。

ロズリン:
患者さんに、妊婦さんやお子さんが多いと伺っていますが、そうした方
                 たちがご専門ですか。

小林:いえ、ここは近年、新しい戸建てやマンションなどが増えている土地柄も
           あって、若い世代のご家族が多く住み始めているエリアなので、自然にそう
           なっているんだと思います。
    実際には、患者さんは小さなお子さんからご年配の方までいろいろですが、
    確かに妊婦さんや、僕の4歳になる息子と同世代のお子さんたちも多く来院
    していますね。

ロズリン:近年は、妊娠中の歯のケアの重要性が言われるようになりました。
      やはり歯周病との関連を意識したご指導を?

小林:いわゆる“歯の疾患が全身疾患を引き起こす
    原因になって
いる”という学説は、発表された
    約7?8年前くらいから、歯科学
の世界で注目
    されています。

    これは妊産婦の歯科疾患とは別の話
ですが、
    とにかく良くないのは事実です。
    早産の危険性が歯周病と関連している、という
    データもあります
が、それは因果関係が“100%
    絶対である”ということを示すもので
はないんです。
    
例えば、つわりがひどくて歯みがきができないという人がいます。 

妊娠中は通常よりも嘔吐反射が強くなりますから、歯ブラシを口の奥に入れた
だけで気持ちが悪くなるためですが、これも全ての人に当て
はまるというわけ
ではありませんからね。

ロズリン:すると、妊娠したために歯周病などのトラブルが起きる
というわけ
      ではない?

小林:
ずっと診ていますと、普段からケアをしっかりしていて健康な
人の場合
    は、妊娠中でもほとんど問題はないようです。
    もちろん、妊娠中はホルモンバランスが大きく変化して、ちょっとしたこと
    がリスクになり得るので、歯ぐきの腫れや出血を引き起こす
可能性は高
    くなりますし、そうした症状も実際に多く見られます


「正しくみがく」が最善の策

ロズリン:
本来、妊娠や出産はとても自然なことですが、最近はいろいろな情報
      が多く、かえって混乱したり、不安になる人もいるのでは。

小林:
妊婦さんに関しては、お分かりのように臨床試験の実施が難し
く、データ
    が大変少ないので、実際のところは胎児への影響や、その
予防法なども
    確立されていません。
    
    ですから、やむを得ないこととし
て、基本的には安全性を最優先し、
    “薬は飲まないにこしたことはない” 
ということになっているんです。

        お医者さんの側も、治療や投薬には十分注意するという姿勢ですね。

ロズリン:歯科衛生士の熊谷さんは、以前にホームページでも妊婦さん
向けの
      歯のケアについてとり上げていらっしゃいました。

              ご自身でも
ご経験がおありですか。

 
熊谷:私の場合は、いわゆる“食べづわり”といって、しじゅう何かを食べていま
    したが、妊娠中だから特別な歯のケアをした、ということはなかったと思い
    ます。

    もちろん、常に口の中が汚れているのは良くないので、今では妊婦さんに
    対して、どうしてもみがけないときはせめて口をゆすぐだけでも、と指導
    しています。

ロズリン:例えば、歯ぐきに出血がある場合などは、どうしてもみがきにくいもの
      ですが、それでもみがいたほうがいいのですか。

熊谷:やはり、よくみがくのが基本ですが、普段から正しいケアをきちんと続ける
    ことが、結局はベストということですね。

小林:妊娠中に正しくみがけていない人”というのは、産後になってもやっぱ
    り正しくはみがけないようです。

         そうなると、妊娠性歯周病ではなく成人型の歯周病に移行してしまいます。

熊谷:腫れや出血のほとんどは、みがき残しが原因です。
    これがむし歯歯肉炎を引き起こし、放っておいて歯周病に進むと、最後
    には歯が抜け落ちてしまうことになります。


小林:先にもお話ししたように、妊婦さんの場合は麻酔
    やX線、投薬などの治療は極力避けたいので、
    進んだむし歯などは処置がとても難しくなります。

    ですから、歯の健康には日頃からきちんと気を
    配ってほしいですね。



  インタビューはまだ続きます! 後編をお楽しみに。