“ 木を伐り、森林を未来の資産に ” を
  スローガンに、アイディアいっぱいの
  多様な活動を行っている

  「 NPO法人 森のライフスタイル研究所
  竹垣 英信 さん をお招きしました。



朝のラジオから聞こえてきた、森づくりの必要性と大切さを魅力的に語る
ひとりの男性の声。

出勤前のひととき、とても惹きつけられる内容に、ぜひ直接会ってお話しを
聞かせてほしいとインタビューをお願いしました。

“ 正しさ ” に “ 楽しさ ” をプラスして、持続的な活動につなげている森づくり
への取り組みは、様々なメディアやジャンルから注目を集めています。



都市緑化からはじまる歩み

ロズリン:森のライフスタイル研究所のメンバーは何人?

竹 垣 :事務局としては3人ですが、森に来てくれるボランティアは連絡が
      取れる人で200~300人位。

      他に協力して一緒に活動してくれるメンバーは、森の専門家と言われる
      長野県や森林組合、森林組合を辞めて、森づくりのNPOをやっている
      人たちなどがいます。




ロズリン:具体的にどのような活動をしていますか?

竹 垣 :長野、千葉、東京の稲城市をメインに、荒れ果ててしまった人工の森を
      再生する “ 森づくり ” 活動をしています。













 森のライフスタイル研究所
 URL:
http://www.slow.gr.jp/


ロズリン:最初から森づくりを目的に立ち上げたのですか?

竹 垣 :「 NPO法人 森のライフスタイル研究所 」 の前に別のNPO法人を
      2000年12月につくったのですが、そのときは東京の街にどれだけ
      緑を増やしていけるかという “ 都市緑化 ” が、ひとつのミッション
      でした。

ロズリン:都市緑化から始められたんですね。

竹 垣 :はい。 活動するに当たって、どの地域にどんな種類の緑を増やし
      たらいいのか、様々な大学の先生に訊いたのですが、驚くことに誰も
      分からないんです。



     そんなとき、東京農工大学の岩岡先生にお話を聞く機会があって
     「 日本の森ってどのくらいあるか知っていますか? 日本の何割の面積が
      森だと思いますか? 」 と逆に質問されたんです。

     僕には全く分からなくて。
     「 日本の約7割が森なんですよ 」 と教えられたんです。 そしてその森の
     大半は手が入っておらず、元気がない森だと言われたんです。



日本の森の姿 ~ 都市から森へ

ロズリン:自然の森だったら人の手がなくてもいいのではないですか。
      なんで自然のままではいけないの?



竹 垣 :実は日本の森はほとんどが戦後、人間が植えた人工の森なんです。
      花壇と一緒でちゃんと面倒をみていかないと元気に育たないんです。

      世界遺産の白神山地や屋久島の天然の森のように、放っておいても
      自然と育ってくれる森は、とても少ないんです。


ロズリン:
どうして人間がつくった森では自然に育たないのでしょう?
      木と木の間が近すぎるとか、逆に遠すぎる?

竹 垣 :例えば、植林するときに長野では1ヘクタール ( 100m×100m )に
      3,000本植えるんです。 約1.8m間隔に1本植えることになります。

      これはかなりギュウギュウで、木が生長すると幹もどんどん太くなるし、
      お互いの枝がぶつかりあって生長の妨げになる。

      太く真っ直ぐ伸びた木を育てるには、伐採して最終的に500~600本
      にするのが理想なんです。




ロズリン:最初から適度な間隔で植えればいいのでは?

竹 垣 :戦後、家や街をつくりなおすため、木が大量に必要になるだろうと
      沢山植えられました。

      ところが予想以上に急激な経済発展をとげ、電信柱も木からコンクリート
      になり、必要とされる材料は変化し、木の経済性は失われました。

      間隔無く育った木々、森を放っておくしかなかったんです。

      「 木を植えたいなら、こういう密集した細い木を一度切り、木の整備を
       した上で植林したらいい 」 と岩岡先生から助言をいただき、そこで
      初めて都市から森に目が移りました。


ロズリン:
森をつくるのに、まずは木を切らなくてはという今の話しは驚きました。


竹 垣 :そうですね。

      木を切って間引きしたところに
      新しく植え、育ったら使うという
      循環ができれば、健康な森が
      つくれます。

      友人の研究者の話しですが、
      海外の研究者から日本は豊かな
      森があるのにどうして自分たちの
      木を使わないで外国から輸入する
      んだと聞かれるんだそうです。

 
 
  1年間の国産の木材利用率は20数%で、8割以上は輸入しています。
  何かあったときのために自国の森を守っているんじゃないかと思われ
  ているんでしょうね。( 笑 )



切って、使って、植えて、森林再生プロジェクト

ロズリン:
木を切ると言っても簡単なことではないでしょう?



竹 垣 :僕らも勉強して資格を取りましたし、森林組合の人たちと一緒に、
      県や市町村の計画に基づいて木を切っています。


ロズリン:
切った木はどうするんですか?

竹 垣 :
最初はペレットストーブの燃料をつくりました。

      ペレット燃料は鉛筆を輪切りにしたような大きさで、間伐材を粉砕・圧縮
      してつくります。



     日本ではペレットストーブが出始めの頃だったので、あまり知られて
     いませんでしたが、京都議定書で二酸化炭素の排出量を減らす約束
     をしたおかげで、石油に替わるエネルギーとして注目されています。

ロズリン:伐採された木が利用されるのは良いですね。
      新たに植える際は、同じ種類の木を植える?
 
竹 垣 :それはその森の持ち主が決めます。

      手を入れない森にしたいなら、広葉樹のどんぐりや栗を植えたり、
      春に桜が見たいなら桜を植える。

      きちっと手入れをして50年後に柱が取れるような木にしたいなら、
      針葉樹のヒノキとか。




ロズリン:
伐採せずにゼロからスタートして植えることもあるんですか?
 
竹 垣 :ありますよ。

      山火事があった跡地を森に戻そうというプロジェクトや、スキー人口
      が減って、使われなくなったスキー場跡地に植林していくプロジェクト
      があります。




インタビューは後編へと続きます。
お楽しみに!