地球に優しく、素材を採掘する人、制作に携わる人、
  ジュエリーを手にする人、全ての人が笑顔になれる
  “ エシカルジュエリー ” を提供する 「 HASUNA 」 の
  白木夏子さんをお招きしました。




最近、新聞や雑誌、テレビなどで見かけることの多い彼女がつくりだすジュエリーは、
“ 世界の貧困層や環境破壊に対して国際協力をしたい ” という思いからスタートした
もの。 美しいジュエリーを身に着けることで社会貢献につながる、エシカルジュエリー。

その素敵な仕組みに共感した人達の口コミで広がり、今、多くの注目を集めています。

    


エシカルであることの美しさ

ロズリン:
“ エシカルジュエリー ” という言葉は始めて聞きました。

白 木 :
“ エシカル ” は英語で “ 倫理的な ”、“ 道徳的な ” ということばですが、
       素材の採掘から生産、流通までの過程が可視化されていて、環境破壊、
       不当な低賃金労働や児童労働、紛争の資金源となるものではない素材を
       使用したジュエリーのことです。

ロズリン:
イギリスから始まったもの?




白 木 :そのように言われています。

      イギリスで一番大きなエシカルジュエリーの会社 「 CREDクレド 」 の代表が
      精力的に活動されていて、そこから世界中に広がったと言われています。

      イギリスはフェアトレードやオーガニックの商品がすごく盛んです。
      留学していたときに当たり前のようにスーパーに並んでいたり、専門店で販売
      されたり、日本より多かったですね。

 ロズリン: 「 HASUNA 」 という名前は?


白 木 : 「 蓮の花 」 です。
      アジア地域では浄化を表し、
      美しい力の象徴とされています。

      私もとても好きな花なので社名
      につけました。

      後から知ったのですが、アラビア
      語で “ ハスナ ” は “ to be good ”
       や “ to be beautiful ” という意味で
      女の子の名前によく使われるそうです。




国際協力への思い
 
ロズリン:でもこの道に入ったのは?
 
白 木 :大学に進学するときに両親と意見が合わず、将来何をやったら
      いいのか分からなくなってしまった時期がありました。


ロズリン:
何か反対されたのですか?



白 木 :ファッションデザイナーだった母が洋服をつくっている姿を子供の頃から
      見ていた影響もあって、私も洋服やアクセサリーをつくったり、絵を描い
      たりすることが大好きで、物心ついた頃にはファッション関係や美術関係
      の仕事をしたいと思っていたんです。

      けれど、その世界で成功することの厳しさを知っているからこそ母に反対
      され、英語とかもっと使えるものを勉強しなさいと言われました。

      それで、まずは短大で英語を勉強することにしたんです。
 

ロズリン:
それでよかったですか。
 
白 木 :英語はもちろん勉強しましたが、社会貢献に力を入れている学校で
      “ 人に尽くす ” とか “ 自分の信じた道を歩く ” ということを大切にする
      学校だったんです。


そこで環境破壊や児童労働、搾取された生活、
貧困など様々な話を聞く機会がありまして、
本当に沢山の人達が世界中で苦しんでいる
ことを知りました。

そういう人達のために何か自分にできることが
あるのではないかと思い、国際協力について
勉強し始めました。





 

ロズリン:そして短大を卒業してからは?
 
白 木 : 卒業してから留学しようと最初から決めていたので、ロンドン大学の
      キングスカレッジに留学し、開発地理学を専攻しました。

      TOEFLを受けたり、短大の先生から推薦状を沢山書いていただいたり、
      本当にがんばったと思います。
 
 

イギリスで学んだ本当の社会貢献
 
ロズリン:海外生活は留学が初めて?
 
白 木 :はい。 それまでは旅行程度でした。

      留学当初は授業に出ても英語が全く分からず、周りのみんなは母国
      イギリス人ばかりだったので、私だけ授業についていけず、ものすごく
      大変でした。




ロズリン:日本の大学とはまた違うんでしょうね。
 
白 木 :もう本当にショックでしたよ。
      ひとつの授業に出るために本のリストを20冊くらい渡されて読んでくる
      ように言われるんです。

      最初の3ヶ月くらいは 「 日本に帰りたい 」 と毎日泣いていました。

      そのうちノートを見せてくれる友達ができて、コピーをさせてもらったり、
      分からないところを教えてもらっているうちになんとかついていくことが
      できるようになりました。

 
ロズリン:大変だったけれど非常に良い経験だったでしょう。
      卒論では何を?
 
白 木 : “ インドの貧困層の人達に対してどのように海外から支援ができるか ”
      というテーマで書きました。

 
ロズリン:ひとくちに支援と言っても、ただお金を集めるだけではなかなかその人達に
      届かなかったり、本当に必要な使われ方をされなかったりすると聞きますが。

白 木 :本当に役立つ社会貢献とは何か、NPOや国連などがいくら援助しても
      貧困がなくならないのは何故か、という議論をよく授業でしていました。

      そこで見えてきたのは、援助というのは “ 与える人 ” と “ 受け取る人 ” と
      いう上下関係のような構図で成り立っていて、ずっと援助ばかりし続けてい
      ると、そこから抜け出せない自立できない、子供のような国や組織をつくり
      出してしまう現実でした。

      なんとかこの問題を対等な立場で解決できる方法はないかと考えたら、
      やっぱりビジネスなのではないかと思ったんです。





対等な立場での支援
 
ロズリン:以前インタビューさせていただいた 国際難民支援会 ( RIJ ) の代表は、
      お金をただ与えることはしないと言っていました。

      難民キャンプの人達に自分達で何をやりたいかヒアリングし、必要な
      プロジェクトを自ら組んでもらいそれに支援をする、ということでした。

      資金より、技術やノウハウ、物資で支援しているそうです。

      素晴らしい考え方だと思います。 ただしそれを事業にするというのは
      なかなか大変でしょう。
 
白 木 :そうですね。

      ビジネスという方法が良いとは思っても、ビジネススキルや知識が全く
      なかったので、まずは投資ファンドで3年間ほど働くことにしました。
 

ロズリン:
投資ファンドだとマクロ的な仕事で、事業を起こすこととはまた別のような
      気がするのですが。

      ジュエリーやファッション系の会社に入った方が、ノウハウは分かった
      のでは。

白 木 :当時はまだジュエリーでやっていこうとは考えていなかったんです。

      私が入ったのは国内の投資ファンド会社だったのですが、経営者の下で
      直接働くことができたので、お金のことや経営のことが知りたかった私には
      非常に勉強になりました。




ロズリン:社会貢献を事業に結びつけるという思いつきはどこから?
 
白 木 :国際協力に携わりたいという気持ちを奮起させたものは何だったのか
      振り返ってみたら、卒論の関係でインドで大理石の鉱山労働者の人達と
      一緒に過ごした経験でした。

      子供も大人も朝から晩まで働き詰めで、みんな暗い表情で笑顔が全く
      なかった。

      鉱山から採れる宝石や大理石は人の生活を豊かにするものなのに、
      その裏では働いている人から力を奪い苦しめる現実があるのは何かが
      おかしい、なんとか変えていかないといけないと強く思ったんです。

      その後、鉱山や宝石の会社で国際協力を行っているところを探したん
      ですが、見つけられなかったので自分で会社を立ち上げることにしました。

        
    
           


 インタビューは後編へと続きます。お楽しみに!!