“ エシカルジュエリー ” を提供する
HASUNA 」 の
白木 夏子さん をお招きしての後編です。





大切な出会い
 
ロズリン:これまで一番影響を受けた人は?
 
白 木 :私の人生に最初に衝撃的な影響をもたらしてくれた方でもある、
      フォトジャーナリストの桃井和馬さんです。

      貧困問題や環境問題を写真を通じて教えてもらいました。
      彼が撮るものは悲惨な状況の写真も多いんですけれど、そのなかに
      すごく希望を感じるものが多くて、自分も何かやらなきゃという気持ち
      にさせられるんです。

      もう一人、 「 VOGUE 」 や 「 ELLE 」 、 「 marie claire 」 などの
      編集長をされていたファッションジャーナリストのさんです。

      エシカルファッションに関してとても力を入れている方で、彼女の考え方
      や生き方、ライフスタイルにとても共感させられました。



      彼らの影響もあったかもしれません。
      自分で色々な国から天然の石や素材を地元の人達から直接仕入れて、
      手作りのジュエリーのビジネスを思いつきました。


いよいよ夢の実現へ
 
ロズリン:会社を立ち上げると様々な問題がでてくると思うんですが、一番大変
      だったことは?
 
白 木 :やはり資金面の問題が一番大変でした。
      
      貯金150万で会社を立ち上げたのですが、販路が全くないのでジュエリー
      をつくっても売れないという状態が続き、あっという間に貯金が底をついて
      しまいました。

      銀行は相手にしないから無理やり出資してくれる人を募って、なんとか
      600万円を集められ、続けることができました。


でもなんとかがんばって、今年で3年目
になります。

今は 3/22 にオープンした青山の直営店
とWEBショップもあるし、取り扱ってくれる
お店や百貨店も多くなっています。






ロズリン:何名で始められたのですか? 



白 木 :今でこそアルバイトも含めて8名のスタッフがいますが、
      当初は私一人でした。

      最初は素材の調達からデザイン、制作、営業、資金繰りと全て一人で
      やらなくてはいけなくて、毎日バタバタ駆け回っていました。 ( 笑 )

      全てが初めてで大変でしたが、特に材料の仕入れ先を探すのに
      苦労しました。
      会う人会う人に 「 ちょっとした情報でもいいので教えてください 」と
      お願いしていました。


ロズリン:
素材の仕入れ先はどこから?

白 木 :アフリカのルワンダからは牛の角、ナミビアとカナダからはダイヤモンド、
      中米のベリーズからは貝殻や黒珊瑚、ミクロネシアからはパール、南米の
      コロンビアからは金を輸入しています。

     
      牛の角 ( ルワンダ )            ルワンダで働く職人


 
      ベリーズの職人と               ベリーズの素材で作った
                              ネックレスをプレゼント

      毎年3、4カ国は訪れています。
      今後はルビーとか、いろいろな石を仕入れていきたいです。

      自分の原点でもあるインドの鉱山から仕入れることができたらと
      思っています。


ロズリン:素材が本当にエシカルなものかどうかを、ご自身で確認を?


 白 木 : 出来る限り自分の目で見て確認する
       ようにしています。
       たとえば鉱山まで行って。
       コロンビアの金だけは現地の団体から
       買っています。
      
       その団体は70ヶ所くらいの鉱山から
       少しずつ集められた金を取りまとめて、
       各国のエシカルジュエリーの会社に
       販売してくれます。

       「グリーンゴールド」と呼ばれているん
       ですけれど、環境に優しい金という意味
       だそうです。

 

産地の美しい自然をモチーフにしたジュエリー

 
ロズリン:ジュエリー制作は今はどちらで?
 
白 木 :全てここです。私ともうひとりのデザイナーとで作っています。

      ブライダルのマリッジリングやエンゲージリングだけは火を使うので、
      いつもお願いしている職人さんに材料とデザインを渡してつくっていた
      だいています。

      良いものがあればジュエリーそのものも輸入したいと考えています。
      そして現地での制作も。



      エンゲージリングやマリッジリングを現地でつくって、彼らの笑顔に
      つながったらいいなと思っています。




ロズリン:ジュエリー制作はどこかで学んだ?
 
白 木 :デザインは独学です。
      アクセサリーは小さな頃から趣味で作っていました。
      彫金をはじめとするジュエリー作りの基礎はジュエリーの学校に通って
      学びました。
 

ロズリン:
でも人の好みはそれぞれで...
 
白 木 :最初、自分が好きな色やデザインばかりつくっていたのですが、
      一般の人達にはあまり好かれなかったんです。


私はわりと地味なものが好きで、一般の
ジュエリーが好きな女性は、カラフルなピンクや
キラキラッとした、一目見て可愛いというものに
惹かれるようです。

そういうものをつくってほしいと、お店から
言われました。








ロズリン:デザインのアイディアはどんなところから?
 
白 木 :素材が取れる国の自然やその国にいたときに感じる雰囲気から
      イメージをカタチにしています。
 


      例えば、今私がつけているネックレスはミクロネシアの海を表現して
      みたのですが、透明度がすごく高くてキレイだったので、そのときに
      感じた印象や雰囲気をミクロネシアのパールを使ってつくりました。
 


      ブライダルのリングは自然をモチーフにして、アラベスクや花や太陽、
      月といったように、テーマごとに展開しています。


ロズリン:毎年新作を発表していますか?
 
白 木 :半年に一度、新しいものを出しています。

      1点しかつくらないものがほとんどですが、同じデザインのものを
      数店舗で扱っているものもあります。
 

 
夢は世界へ、世界と日本の架け橋へ
 
ロズリン:今後の 「 HASUNA 」 の展望は?

白 木 :海外にも展開していきたいですね。
      
      まずは国内でもう1、2店舗構えてから徐々に海外に広げていきたいと
      思っています。
      イギリスに住んでいたので、やはりイギリスには出店したいですね。

      将来的には人が美しいと思うものに関して貢献していきたいです。
      美しいと思うことは心のなかの豊かさにつながっていくと思うんです。



     発展途上国の人や世界中にいるアーティストや職人の作品を紹介する
     だけでなく、彼らの生き方や背景にある自然や文化などを、日本にいる
     人達になんらかのカタチで伝えていきたいです。

     そしていつかギャラリーや美術館を建てることができたらと思っています。
 
 

美しいものにふれて心を豊かにキープ
 
ロズリン:お休みの日はどのように過ごしていますか?
 
白 木 :アートや自然などなるべく美しいものに触れるようにしています。

      “ デザインする、つくる、お客様と話す、打ち合わせをする ” 
      この仕事は自分の内側にあるものを外に出していくので、それが
      ず~っと続くと自分の中が空っぽになってしまう。



      またジュエリー制作をしていると、身体が凝り固まってしまうのです。 
      家に帰ってヨガで身体をケアするように、心がけています。

      アートや人がつくった作品を見てパワーをもらったり、癒されたり
      しています。

      そして自然のなかに出かけて身体や心をリラックスさせて、心地良い
      時間を過ごして、次のよい仕事につなげようとしています。




<インタビュー感想>

 フェアトレードという言葉は、最近日本でも広く知られるようになりましたが、
 「 エシカル 」 というと、まだ聞き慣れない言葉です。

 我々のもとに届けられ、美しく加工されているジュエリーの多くは、
最悪の
 労働環境の中で採掘された背景があるという現実を、
どれだけの人が知って
 いるでしょうか。
 
 学生時代に訪れた南インドで目にした、大理石の採掘現場で笑顔もなく黙々
 と働く労働者達。 その姿が忘れらずに、エシカルジュエリー
というビジネス
 に辿りついた白木さん。
 
 支援というと、食料や医療などのヒューマンエイドを考えますが、お互いに
 機会を与える新たなビジネスを生み、結果的に相手の根本的
な自立を実現
 させるというのは、素晴らしいアイデアですね。
 
  
 何か社会の為、人の為に貢献できることはないだろうか?と考える
ことは
 あっても、実際の行動に踏み切るにはかなりのヴァイタリティ
と根気強さを
 必要とします。

 HASUNA設立から3年目だそうですが、今後は店舗も増やし、
海外での
 展開も考えているそうです。
 
 エシカルという正しい理念が多くの女性の共感を呼び、必ずや成功される
 ことと期待しています!
 
 デザインもとても素敵ですので、皆さんもぜひお店にいらしてください。