写真家
 日暮雄一さん を お招きしての後編です。





世界遺産にも登録された
マリのモスク
 
ロズリン:見せていただいたスライドの中で、住居はもちろんですが、
      モスクもそれぞれに美しい建物ばかりでした。

      そしてなにより、あのマリのモスク塗り替えの映像はすごかったですね。






日 暮 :マリにあるジェンネのモスクの土壁の塗り替えを見てみたい!
      と強く思ったのが、西アフリカに通うようになったきっかけでした。 

      マリは乾燥地帯ですが、雨季と乾季があり、1年に1度雨季の前
      メンテナンスのために土壁を塗り替えるのです。

      しかし、その日程はあいまいで前の年に2月に行われたとの情報を得て
      2月の終わりに日本を出発したのですが、なかなか塗り替えは行われず、
      結局5月まで待ち続け、ようやく撮影ができたのです。
 
ロズリン:スライドショーの映像は、お祭りのようにとても賑やかでしたね。
      グループごとに旗をかかげ、まるで競争のようにモスクまで土を
      運んでいました! 

      塗り替えは何日間かかりますか?



         

日 暮 :たったの1日、それもたった3時間です!

      街の外にある川沿いで、塗り替え用の泥を1ヶ月以上かけてつくり、みんなで
      前日からかごに入れた泥を頭にのせて、運び込みます。

 

そして翌朝、日の出前から
集まり、村人総出 ( 数千人 )
で一挙に塗り上げちゃいます。

朝8時ぐらいには塗り終わっ
てしまうので、朝寝坊したら
見られません ( 笑 )。






ロズリン:たった1日ですか!
      なかなか出会えない光景だけに、日本では今までに見たことがない映像でした。


日 暮 :その後も含め、合計で4回塗り替え時期にマリに通いましたが、
      壁塗りを実際に見ることができたのは、2回です。

      私が初めて撮影に行ったときに、ちょうど日本からNHKも収録に来ていました。
      それが日本で最初のテレビ放映になったと思います。

      

      あのモスクは、土の建物としては世界一の規模だと思います。

      世界遺産にも登録されていて、一度壊されてしまったことがありますが再建され
      100年以上経っています。
      縦横が50メートルあって、高さも20m近くもあるんです。
 
      普段は外国人が建物の中に入ることは許されていませんが、壁塗りの日だけは
      特別に内部を見ることができます。

      内部も土だけでできていますが、構造的には厳しいので柱だらけなんです。





 現地ではトラブルなし!
 
 ロズリン:アフリカに長期滞在していて、困ったこと
       などはありますか? 
 
       食事も全く異なるでしょうし、お腹を
       こわしたりはしない?

  

 
日 暮 :それが全然ないんですよ。親に感謝しなくてはと思っています。
      現地の水を飲んでも、現地で食事をしても、一度もトラブルがないんですから。

      1ヶ月、2ヶ月といてもぜんぜん大丈夫です。
 
ロズリン:それはすごいですね。
      お医者さんにかかったこともないですか。
      ほんとうご両親に感謝ですね。
 

日 暮 :
怪我もないので、とにかく医者にかかったことはないです。


また、現地 ( ブルキナファソ ) に自分の車を
所有していて、信頼できる現地のガイドさんに
車の保管をお願いしています。

現地に入った時には、彼に運転や通訳などを
お願いする、私にとっては本当に大切な
パートナーです。
 
まあ自分自身の怪我はないですが、道のない
砂漠なども移動するので車がスタックして
しまったり、牛とぶつかったりしてしまい、車は
さすがにボロボロになりますね ( 笑 )。





 
         出発時                  旅から戻ると車がボロボロに


ロズリン:確かに車は大変なことになっていますね …。

      それにしても良いガイドさんに出会えてよかったです。
      お二人の間では、言葉は何語になるのですか?
 
日 暮 :英語です。

      彼には毎回お願いしているので、しっかりと信頼関係もあり、
      とても助かっています。
 
 

身体を鍛えるためには剣道やマラソンを
 
ロズリン:身体を鍛えているようですね。 スポーツなど何かしていますか?
 
日 暮 :子どものころからずっと剣道をしていて、大学生から社会人になった際は忙しく、
      一時期やめていたこともあったんですが、フリーランスになってからはまた再開
      することができました。

      週3回くらい稽古に通っています。


      2011年の東京都形剣道大会では準優勝
     左が日暮さん

      あとはマラソンを2年前から始めました。
      剣道を続けるためには、足腰を鍛えておきたいと思って。

      去年と今年と、2年連続で東京マラソンに出場しました。
      かぶり物をして東京マラソンに参加したら、応援がもの凄く、人生で一番
      もてましたね ( 笑 )。
 

ロズリン:
ええ?かぶりものですか? 

      去年は仮装して走っている人をたくさん見ましたよ!今年は日暮さんもテレビに
      映ったかもしれませんね ( 笑 )。




いろいろな出会いや流れを大切に

ロズリン:今後は何をやりたいですか。 写真の個展は?

  

日 暮 :去年は初の個展をさせていただきました。いろいろなきっかけから実現しました。

      様々な出会いというのを大切にしたいですね。

      また、個展のとき 「 光る泥団子ワークショップ 」 というのもやって、子供から
      大人まで泥団子作りを楽しんでいました。


ロズリン:
今後は写真集があるといいですね。

日 暮 :雑誌などには写真や文章を寄せていますが、写真集にいずれまとめられたら
      と思っています。

  

      自然とそういう流れになったらいいなというのはありますね。
      そして、お世話になっている西アフリカの人たちにも、何か恩返しというか、
      できることがあったらいいなと思っています。
 

ロズリン:
これからがとても楽しみですね。
      個展などがありましたら、ぜひ教えてください。



      


<インタビュー感想>
 
土で作られたとは思えないほど、美しい文様でデザインされた建物は
不思議な魅力を放ち、内部構造はいったいどうなっているのか?
誰もが知りたくなるのではないでしょうか。
 
日暮さんは商業写真で生計をたてながら、旅行ではあまり訪れないような西アフリカの
大地へ、そんな美しい建物を写真におさめるため、1度訪れれば2~3ヶ月はかけて
旅されます。
 
普段私たちは毎日を時間に追われて過ごしています。

夢を実現し、自分の時間を自由に使うことができる生活をするために、日暮さんは大きな
決心をしました。たぶん日暮さんのような生き方を羨ましいと思う方は、たくさんいると
思います。
 
今後はこれまで撮りためてきた建物を広く紹介する本の出版や、それら美しい建物を
自身で設計し、日本に建ててみたいと課題が豊富です。

ぜひフォローしていきたいです。



  カッセーナ族の住居  建物の表面には独特な文様とツヤがある。