「 小児歯科 」 「 小児矯正歯科 」 の
 坂部 潤先生 を お招きしての後篇です。





子どもの矯正治療にも積極的に取り組む
 
ロズリン:坂部先生は、アメリカに留学されたご経験がおありとか。
 
坂 部 :はい。 
      アメリカのUCLAで1年だけですけど、子どもの歯の矯正を学びました。


ロズリン:あちらでは、子どもの歯の矯正は一般的なんですか。



坂 部 :人種によって差がありますね。
      日本でも、知識階級の間ではむし歯予防はだいぶクリアしているので、
      次は歯並びという感じになっていますね。
 

ロズリン:
これまで日本人は、あまり歯並びを気にしていませんでしたよね。
      私、日本人の八重歯、かわいいと思うんです。



      主人も昔、ちょっとそうだった。そこに惚れた ( 笑い )。
      でも、結婚してしばらくしたら治しちゃって。ちょっと残念に
      思ったんですよ ( 笑い )。
 
      でも最近のヒトは、顎が細くなっていて、それで歯並びが悪くなっている
      という話を耳にしたことがありますが。
 
坂 部 :それには諸説ありまして、明確な答えはわかっていないんです。
      ただ、数千年くらいで顎の骨の形が変わるくらいの進化があるとは
      思えないので、食べものや呼吸の仕方の問題が大きいのかな、と。
 
      たとえば、昔は食べものが固かったり、砂などがたくさん入っていたから、
      自然に歯が削れていた。
      現代は食べものがやわらかいから、歯がまるまる残ってしまい、おしくら
      まんじゅうになってしまう、とか。


      あるいは、アレルギーなどで口呼吸をしていると、鼻腔を使わないので
      上あごが発達しにくい、とか。
 

ロズリン:
なるほど。いろいろな問題が組み合わさっているんですね。
 
坂 部 :欧米では矯正は、貧しくてできなかった人を除けば、たいてい小学校の
      高学年くらいまでに終わらせている。

      日本でもこれからはそういう流れになっていくと思いますね。




ロズリン:子どもの歯の矯正は、永久歯に生え変わってからやるものですか。




坂 部 :
いえ、3歳くらいからやることもあります。
 

ロズリン:
乳歯のころに歯並びを治しておけば、永久歯はきれいに生えてくる
      のでしょうか。
 
坂 部 :そこまではいかないですけど、少なくとも歯が生えてくる土台の骨の
      部分の大きさを矯正できます。
 
      歯並びが悪くなる原因は大きく2つありまして、1つは歯が大きい場合。
      もう1つは、顎が小さい場合。
      
      実際には歯が大きいより、顎が小さい人が多いですね。
      そういう人はまだ骨がやわらかいうちに広げて、将来も歯を抜かずに
      矯正できるようにしておく。



ロズリン:じゃあ、小さいうちに始めるほど効果的なんですね。
 
坂 部 :小さいうちほど、顔もこれから作られるので。
      絶対とはいえませんが、出っ歯とか受け口などはかなりちゃんと治ります。
 
      ただ、永久歯の大きさがわかってからじゃないと、何ミリ顎を広げたら
      いいかわからない。

      1本でも生えれば、予測できますから、だいたい小学校入学前後から様子
      を見ながら始めるのがいいですね。

   
                      この装置をはめて、調整して顎を広げる
 

子どもの治療は 「 嫌がっても、やる 」
 
ロズリン:小さい子ですと、治療を嫌がりませんか。
 
坂 部 :もちろん、最初は泣いちゃったりします。
      でも、嫌がっても、かまわずやります。

      よく 「 泣くから治療ができない 」 という歯科医やお父さん、お母さんが
      いますが、もし腕が折れたとしたら、泣いても治療するじゃないですか。

      結局、どれだけ歯を大切に思っているかなんですよね。
 
ロズリン:泣いてイヤがる子を治療するのは、大変でしょうね。



坂 部 :そうですね。
      泣きすぎて、おしっこもらしたり、戻しちゃったりする子もいます。
      かわいそうですが、でも、子どものためですから。
 

ロズリン:
子どもが怖がらないように、何か工夫はされていますか。
 
坂 部 :治療中、テレビを見たり、音楽を聴いたりできるようにしています。 

      また、おもちゃなどを用意して、ご褒美として、帰りに選んでもらったりも
      しています。


     診療が終わるとこの棚から
     おもちゃを選べる
 
    
                   子どもが遊べるスペースも!!

ロズリン:ホールもかわいらしい雰囲気だし、入り口に電車が走っているのも
      子どもには楽しいでしょうね。
 
坂 部 :少しでもいいイメージを持ってもらいたいので。

      入り口の電車は、登園中の子どもが触っていきますよ。
      イメージアップに効果、あるんじゃないかなあ。

 
   
                                入口には電車の模型
 
ロズリン:いま都内に3ヶ所、医院を開いておられますね。
      今後、もっと増やしていくご予定ですか。
 
坂 部 :残念ながら、患者さんはいっぱいいるんだろうけれども、小児歯科を専門に
      やりたいという歯科医がなかなかいないんです。
 


ロズリン:できてしまったむし歯を治すだけでなく、そもそもむし歯をつくらないように
      するというお仕事は、なかなかやりがいがありそうですが。
      子どもの歯の矯正治療も含め、これから注目される分野かもしれませんね。


      今日は興味深いお話をどうもありがとうございました。




  <インタビュー感想>
 
  まず伺った時に驚いたのは、入口にある汽車の模型。
  人気のトーマスというキャラクターだそうですが、これが壁のボタンを押すと、
  行ったり来たり動くんです!
 
  よく通学途中に子供たちが動かしていくのが、防犯用カメラにも写っているそうです ( 笑 )。
 
  全体的にポップな雰囲気でインテリアのさし色に使われた赤は目を引きます。
  医院の内装から子供の遊べるスペースにいたるまで、カラフルです。


        ポップなピンクの壁の治療室

  これまでの歯科医院のイメージが、ガラッと変わりました!
 
  ここまで徹底している小児歯科医院は、まだ少ないんじゃないかしら。
  子供たちも怖がらず、あの汽車のところに行こう! と進んで来てくれるでしょう。


       治療椅子のまえにはぬいぐるみ
  

  大学病院と違い、街の歯科医院が果たす役割は、第一に治療ではなく
  予防とおっしゃる坂部先生。小さいうちから始める矯正も提唱しています。
  大人になって矯正するよりも、子供で矯正する方が歯の動く痛みが、骨がやわらかい分
  少ないんですね。
 
  日本は健康保険で矯正や予防がカバーされません。
  海外では予防は保険でカバーされ、逆に治療はカバーされない国もある。
  これならば金額がかかる前に、きちんと予防で歯科医院に通おうという流れになります。
 
  日本人できれいな歯並びの人は、全体の1~2割しかいないそうですから、今後日本の
  保険制度が変わるのは難しいかもしれませんが、予防に対する意識と矯正に対する意識が
  向上すれば、この数字にも変化が出るはずです。
 
  キッズデンタルクリニックのような医院がもっと増えることを願います。

  サンギも良い製品を送り出し、予防に貢献して行きたいです。
 
 
 
     ◆キッズデンタルURL : http://www.kidsdental.info/