NPO法人「アーク」
(アニマルレフュージ関西,ARK)の代表、
エリザベス・オリバーさんを
お迎えしての前編です。




今回は、日本の草分け的民間動物保護団体であるNPO法人
「アーク」の代表、エリザベス・オリバーさんにお話を伺います。
アークの目的は、「人間と動物が真に共存共栄できる社会の
創造に寄与する」ことです。
動物を愛し、共に生き、積極的に救いの手を差しのべようとしている
人達のネットワークを形成しています。
また、動物の権利を主張し、動物の問題を国内外で改善し、
真に効力のある動物保護法の制定をめざして活動しています。


馬の世話からスタート 動物に対する責任感を学んだ

ロズリン:以前、エリザベスのインタビュー記事を見て、
素晴らしい活動に感激しました。動物が本当にお好きですね。



エリザべス:はい。動物は、子どものころから大好きです。
家で犬、猫、鳥などを飼っていて、7歳のときには
「全部自分で世話をするから」と母にせがんで、
自分の馬を飼ってもらいました。

お小遣いは全部、馬のえさなどにつぎ込み、学校から帰ってからも
自分がおやつを食べる前にまず、馬のえさ。
その馬の世話を通して、動物に対する責任を学びましたね。
それと、動物を飼うにはお金がかかるということも。
とてもよい勉強になりました。



ロズリン:大学などは?

エリザべス:実は農学部に行きました。
馬が好きだったので、馬のことを勉強したくて。
でも実際は、牛とか牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの勉強がメインでした。

ロズリン:どういう仕事をめざしていたんですか。

エリザべス:とくに考えていませんでした。
あのころは、農業を勉強していたら、世界のどこでも仕事があったので。

ロズリン:では、卒業してからはどんなお仕事を?

エリザべス:まずはアメリカの研究機関に勤めました。
働きながら、あちこち旅行に出かけていましたね。


2~3年のつもりが、40数年間も日本に

ロズリン:日本に来たのはなぜですか?

エリザべス:旅行が好きで、はじめ、友だちといっしょに
モンゴルへ行こうと思ったんです。
あちらは馬がたくさんいるので。

それで、イギリスからモスクワ経由で、モンゴルへと計画を立てて。
ところが、当時は乗り物事情が悪くて。ようやく乗れた汽車は
シベリア行きでした。



ビザの関係でいったん北京で降り、モンゴルをあきらめて、
結局香港に向かいました。

出発前に日本人と知り合い、名刺をもらっていたので、
ちょうどあった神戸行の船に乗り込み、日本に来ました。

ロズリン:それが運命の分かれ道だったんですね。

エリザべス:そうですね。日本に着いてから、名刺の方に会い、
彼はびっくりしましたが、とても親切にしてくれました。

そして、英語を教えながらしばらくの間日本に住み、
いったんイギリスに帰ってロンドン大学で1年間、
日本語を正式に学んだ後、再び日本へ。
日本にいるのは2~3年のつもりが、それから50年近くになります。

ロズリン:私は、日本に来て43年なんですが、
エリザベスのほうが先輩ですね(笑)。




次々と動物の命を救うように

エリザべス:日本では最初は大阪の茨木に住み、犬を1匹、
それから猫を飼いました。
それから大阪の能勢という町に農家を買って移り住みました。

ここは大阪のチベットと呼ばれている場所で、自然がいっぱい。
家の裏に牛小屋があったので、ここでいよいよ馬が飼えるな、
と思っていたら、ちょうど馬を2頭、手放したいと言っている人がいる、と。
すぐに引き取りました。

ロズリン:動物保護の活動を始めた経緯は?



エリザべス:動物が好きだったので、
ある動物愛護団体にボランティアとして参加していました。

もと実験動物で保護されたグレートデンを飼い犬として迎えたんですが、
グレートデンは体が大きいでしょう? 
馬2頭とグレートデンとで遊ばせていると、遠くから見る人は
「馬が3頭いる」と思っていたみたいですよ(笑)。



動物愛護団体のボランティアをしているうちに、捨て犬、捨て猫の
実態を知りました。多くは保健所に送られて、殺処分されてしまうんです。
保健所の殺処分は本当に悲惨です。

そこで、少しでも命を救いたいと、個人で保護活動を始めたんです。
犬や猫を拾ってきては保護し、世話をしながら、
元の飼い主が現れるのを待つ。あるいは、里親をみつけました。

はじめのうちは大学に勤めながら、友だちやボランティアの助けを
借りていましたが、どんどん動物の数が増え…。
そうすると専属で世話をする人が必要になります。
そこで、スタッフを採用しアークを立ち上げ、団体で活動するようになりました。



ロズリン:
活動資金は、どのように得ているのですか。

エリザべス:
すべて寄付で賄っています。
ただ、残念ながら日本人のチャリティーに対する意識はあまり高くなく、
世界300数カ国中123位なんですよ。

どこの調査か覚えていませんが、ちなみにトップはオーストラリアで、
カナダ、イギリス、ドイツと続きます。

また、欧米では85%の人が毎月、どこかに寄付する習慣を持っているのに対し、
日本でそうした習慣を持っているのはわずか5%にすぎないそうです。
日本の人たちには、もっとチャリティーに関心を持ってほしいですね。

ロズリン:
いま、アークの施設は何頭くらいまで収容できるのですか。



エリザべス:
能勢のシェルターには、犬180頭、猫150頭くらいが収容できます。
いま、兵庫県の篠山市に新たなシェルター「篠山サンクチュアリ」を建設中で、
そこには50頭くらい収容できます。
(一部の犬舎は今年5月に完成し、すでに20数頭の犬が保護されています)

<能勢ARKの様子>





<篠山サンクチュアリイメージ図>



<篠山サンクチュアリ>







ロズリン:
完成が楽しみですね!

アークにとって、1995年の阪神大震災が大きな分岐点になったと聞きました。
次は、そのことについて教えてください。



<エリザベス・オリバーさんプロフィール>

●アニマルレフュージ関西「アーク」
http://www.arkbark.net/
 
●著書「動物と分かちあう人生」
「Rescue!エリザベス・オリバーの動物シェルター」
「スウィート・ホーム物語―オリバーさんと、幸せをつかんだ22匹の犬」
http://www.arkbark.net/?q=ja/node/3396

アークでは定期的に東京、横浜、大阪、神戸、
奈良等都市部で里親会を実施しています
詳しくは⇒http://www.arkbark.net/