春日部にあるフレンチレストラン
 「Bien(-びあん-)」のオーナーシェフ
 武井さんをお迎えしての前編です。





今回は、サンギの研究所のある春日部市内で、よくお世話になっている
フレンチレストラン「びあん」のオーナー、武井良明さんにお話を伺います。
ゆったりくつろげる空間で味わう料理のおいしさの秘密や、お考え、
これまでの道のりなどについて、伺いました。


独学で研究したフランス料理。家業の桐たんす店からの転身

ロズリン:いつもとても素敵なお料理をありがとうございます。
びあんは、ワインもチーズも本当に種類が豊富です。



武井:
チーズは常に15種類以上、ワインは多すぎて
メニューが作れないほどあります。(笑)

ロズリン:
お料理の味や品ぞろえはもちろん、インテリアや外装も
こだわりを感じます。そもそも、フレンチはどうやって勉強したの?

武井:
独学です。

ロズリン:
それはすごい!

武井:
家業が桐たんす店で、僕も20歳から働いていましたが、
7年目に、大好きな食べることを仕事にしたいと、思い立ったんです。



食べ歩きをしていて、北千住にあった「ヴィノフルート」というワインバーが
大好きになり、いつか自分で店を持ちたいと思うようになりました。
初めはダロワイヨでパンを焼いていました。
その後は、アルバイトをしながらバーやフレンチレストランで働く
2重生活を約9カ月。

その後、勉強のためにフランスへ.。
ワイン産地を巡る旅を3カ月ほどしました。

ロズリン:
産地はどこを?

武井:
ロワール、ボルドー、ベルジュラック、コートデローヌ、
ブルゴーニュ等です。
電車で移動しながら、お料理の食べ歩きもしました。
30歳のころです。現地で体験して、とても勉強になりました。

ロズリン:
帰国後、すぐに店をオープンしたのですか?



武井:
いいえ、桐たんす店で働きながら96年に開店するまで、
料理は家で研究を続けていました。
反対すると思っていた父も、意外ととても協力的で。
僕の本気が伝わったんだと思います。

食器やテーブルをそろえ、夜は料理を研究して、
96年10月に、この建物の2階で最初のレストランをオープンしたんです。


レストラン経営のむずかしさを実感

ロズリン:
反響は?

武井:開店当初はお客さんがたくさん来てくれましたが、
実は2カ月でほとんど来なくなったんです。
当時は人の使い方も下手で、従業員も全員やめてしまって・・・。
困り果てていたところ、救世主のように臨時のアルバイトで
きてくれたのが現在の妻です。(笑)

妻がお店を手伝ってくれるようになりとても助かりましたが、
売上の波が不安定で、経営はとても難しかったです。



日々いろんな本を読みながら勉強を続けていて、
まるで真っ暗闇の中を手探りで歩くような感じでした。




ロズリン:フレンチは奥が深そうです。

武井:
そうですね。フレンチが世界中に広まったのは、
技法を大事にする料理だからだと思います。

素材が豊富じゃなくても、技法の奥深さですばらしい料理ができる。
イタリアンは素材がいい分、技法はシンプルだと思います。
僕はフレンチの中でも、特に煮込み料理が好きで研究していましたが、
3年ぐらいたった時に、頭の中で料理できるようになってきました。

ロズリン:
それはイメージができるようになったということ?

武井:
頭の中で素材を組み合わせて、あともう一つ何かが足りないと
いった時に素材を見て「あっ!これだ」とぴんときたり。
実際やってみると本当においしくなる。

そうして、料理をする中で自分自身を見つめるうちに、
自分の料理のテーマはやさしさだとわかったんです。



ロズリン:
それからはお店もうまくいったのですか?

武井:
いえ、実はそのあたりからがいろいろ大変なことになりました。
実は35歳から約10年。男の更年期障害で苦しんだんです。


10年間苦しんだ体の不調を克服

ロズリン:
「更年期障害」で10年間?どんなことですか? 
仕事のストレスが原因?

武井:
それもあったと思います。
とにかく僕は馬鹿みたいにまじめなところがあって。
予約が入ると、料理のことを考えて眠れなくなってしまうほどで。
お店の不調の波もあり、心身にきていたんだと思います。

でもあるとき、男性ホルモン値が低いとわかり、それに効果的な納豆を
一日4パック食べ始めました。そうしたら、どんどんよくなりまして。 



ロズリン:
納豆で!そのころお店は大丈夫でしたか?

武井:
昼間に営業する惣菜屋に変えたんです。
体調のことと、子供が小さかったので。
レストランはお客さんに合わせる仕事なので、精神的に不調な時は
むずかしかった。お店を変えてから、ずいぶん気が楽になりましたね。
惣菜作りと販売は自分のペースでできますから。

ただ、フレンチの店にもう一度挑戦したいと、何年も思い続けてました。

ロズリン:
そのお話をこの続きでぜひ聞かせてください。

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Bien (-びあん-)
埼玉県春日部市粕壁1-7-1(春日部駅徒歩30秒)
営業時間:12:00~14:00、18:00~22:00
定 休 日:火・水
電  話:048-763-9928
席  数:9席
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