子育てシェアの運営を行う企業
AsMama」の代表、
甲田恵子さんをお迎えしての前編です。


 
 
 
子どもを預けたい人と預かりたい人をインターネットでマッチングするサービス「AsMama(アズママ)」。ご近所の顔見知りで頼りあうことを大事にし、助け合いにより女性の社会参加を後押しするシステムを提案しています。ご自身も子育てと仕事を両立してきた経験がある甲田さんに、どのような気持ちで起業し、日々がんばっているのかを伺いました。


きっかけは、失業後、なやんでいる主婦たちとの出会い
 
ロズリン:AsMamaは簡単に言うと、どういった事業?
 
甲田:昔のご近所づきあいのように、安心して頼りあえる関係で
子育てシェアを
行う、といえば、わかりやすいでしょうか。


子どもを預けたい人、預かりたい人にネットで登録してもらいますが、
単にネット上での知らない人同士のマッチングではないのが特徴です。

ご近所の顔見知りや実際の知り合いで登録してもらう他、地域のイベントや
私どもの広報活動で作ったリアルな顔見知り同士で、困った時に頼りあえる
というシステムを運営しています。
 
ロズリン:なるほど。今の日本に必要な事業ですね。
甲田さんは30代の半ばで起業していますが、起業は夢だったの?
 
甲田:いいえ。考えたことはありましたが、
それは子どもやソーシャルビジネス分野ではありませんでした。



子ども関係でボランティアをしたことがありましたが、
ボランティアと仕事とは分けて考えていましたし、
仕事は会社の中で上のポジションを狙うタイプでした。
 
ロズリン:起業する前はどういうお仕事を?
 
甲田:大手通信会社での海外事業部の新規事業担当の後、
ベンチャー投資会社での広報・IRの統括をしていました。

通信会社での仕事は、ネットが普及していない国でインターネットの
設備を整える交渉をするなど、世界中に出張がありました。
どちらもすごくやりがいのある仕事でした。
 
仕事とは、自身が生きている中で、
世界に影響を及ぼすチャレンジができる
唯一のものだと思います。
また、自分のしたことで見知らぬ誰かを幸せにできる
手段だとも
考えているので、結婚も出産も経験する中、ずっと仕事に走ってきました。
本当に仕事が大好きなんです。
 
ロズリン:前の会社をやめたのは、起業をしようと考えて?
 
甲田:いいえ、起業の前に勤務していたベンチャーは外資で、
突然、会社事情により従業員のほとんどの人が人員整理を受けるという
青天の霹靂がありまして。
 
私もほかの企業からお声がけをいただいていたのですが、
それまでがむしゃらに働き、少し燃えつき症候群のような感じで。
自分が何のために仕事をしているのか考えようと、時間をとることにしました。
 
そこで、偶然知った職業訓練校に応募し、行くことにしたんです。
働きたくても難しい状況の子育て中の女性をはじめ、いろいろな主婦の方と
出会い、お話をしたことが起業のきっかけになりました。


それまで私の周囲に普通の主婦の方がいなかったので、
実情がわかってなかったんですね。


人に頼るのがとても苦手だった。
 
ロズリン:主婦の方たちと、どんなお話をしたの?


甲田:たとえば出産後に復帰したくても、保育園のお迎えの
お子さんの時間帯が
あわなかったり、残業ができなかったりで、
なかなか前の職場を続けられない
という話を聞きました。
 
「ベビーシッターさんを頼まないの?」と聞いたら、
とても金額が高くて無理だし、近所に見てくれる人もいないというんです。
テレビのニュースを見れば女性の活性化という話がどんどん出ているのに、
実情は今だにこうなのかと驚いたんです。



私は、専業主婦の方は優雅な幸せな気分で過ごしていると思っていたんです。
でもそうではなく、家事や育児に情熱を注ぎ、日々忙しく過ごしている。
と同時に、様々な情報を知っているにも関わらず社会参加をしていない
ということに不安を感じていることが分かりました。
 
働きたい人は、安心して子どもを預けられる場所があれば会社を続けられ、
家で家事をしたい人は、子どもを預かることで人のためになり、
それでお金を生み出すことができれば、社会参加となる。
この2つをマッチングすればお互いがハッピーになるのでは、と考えたんです。
 
育児をしながら働いていると、何かの時に安心して預けられる人がいるのは
本当にありがたいことですから。
 
ロズリン:甲田さん自身、子育てと仕事の両立はどうしましたか?



甲田:
私は、実はとても人に頼るのが苦手なので、綱渡りのような状況でした。

仕事が大好きだったこともありますが、退社して夕方6時に保育園の
お迎えにいき、7時から家でご飯を作って食べさせてお風呂にいれて寝かせる。
その後主人が帰ってきたら食事を用意して、終電で会社に戻り始発の時間まで
仕事をして、朝家に戻り家族の食事の用意をして
保育園に送って出社したことが何度もあります。
 
ロズリン:えー!それはハードですね。いつ寝ていたの?
 
甲田:今もそうですが、私あまり寝なくても平気なんです。
当時は移動などのうたたねを合計して3時間ぐらい。
今も布団で眠ることは1年に10回もないかもしれません。
 
ロズリン:私も、実はあまり寝なくても平気なのです。
その代わり、とても深い眠りではありますが(笑)。
でもこれは、みんなの解決策にはならないですよね。
 
甲田:そうなんです。
体力勝負で働くことは誰もができることではありません。
女性が仕事か育児か選択をしなくてはいけない現状を、私たちの子どもの
代まで残さないために、この問題を解決できるシステムを作ろうと思いました。
 
ロズリン:それをボランティアやNPOにしなかったのはなぜ?
 
甲田:ボランティア活動を否定する気はありません。
ただ私自身、ボランティアが仕事と重なったときに、
やはり対価が支払われる
仕事を選んでしまった経験があります。



世の中に絶対に必要なことほど、対価をきちんと支払われるべきだと考え、
子育て支援のネットーワークを運営する会社を作ることにしました。
 
ロズリン:なるほど、よくわかりました。
ではAsMamaの詳しいお話を、ぜひこの後聞かせてください。



<甲田恵子さんプロフィール>
 
●株式会社AsMama代表
http://www.asmama.co.jp/
 
環境事業団、ニフティ株式会社、ngi group株式会社を経て2009年11月子育て支援・親支援コミュニティ、株式会社AsMamaを創設し、代表取締役CEO就任。プライベートでは2003年4月に結婚。2005年4月に長女出産。

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送迎・託児の安心頼り合い AsMama「子育てシェア」
http://asmama.jp/
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